売却の検討

不動産売却に売却理由が重要なワケ

不動産の買い手は、売り手の売却理由を気にします。

なぜ気にするのかというと、本当の売却理由が前向きな理由ではなく、不動産の価値を下げる、後ろ向きな理由であるかもしれないからです。

近隣トラブルが続出するような土地であったり、幼稚園が近くに建設されて騒音がうるさい立地であったり、よく交通事故が起こる場所であったり。

買い手にとっては魅力的に見える土地を、わざわざ売り渡してしまう理由が明確にないと、買い手も購入後の欠陥を恐れて、購入意欲を落としてしまいます。

不動産を売却するときには、購入後のトラブルを発生させないように、売却理由を明確にして、説明されたら納得できるものにしておきましょう。

よくある不動産売却理由ランキング

不動産売却を考えるきっかけは、家庭や仕事の事情なので、それぞれ売却理由は異なります。国土交通省の「土地保有移動調査結果」(平成28年取引分)によれば、個人の売主の売却理由は、次のようなランキングになっています。

1位:生活費に充てる(23%)

定年退職後の老後資金としてや、リストラされて収入が途絶えたタイミングで、不動産を売却して生活費に充てようとする方が多いです。不動産を持っているだけで、固定資産税や都市計画税の税金がかかってしまうので、安定して充実した老後を考えると、生活費のために売却してしまったほうがよいでしょう。

2位:買主等の希望(20%)

隣人が土地を広げたかったり、不動産会社が都市開発を行うために広範囲の土地を買い占めたいなど、もともと土地の持ち主は売る気がなかったけれど、買い手の希望によって売却を検討することが多くあります。

3位:住宅建設購入資金(11%)

もともと相続していた家に住んでいたり、購入して住んでいた家が老朽化した場合に、より良い住まいに住み替えようと、現在の住まいを売却する方あ最も多いようです。

4位:借入金返済(10%)

借入金の多くが住宅ローンです。毎月のローン10万円の支払が家計の負担になり、生活を考えると土地や家を売却してローンの返済に充てたい、という方も多くいます。ローン残高がある場合の売却方法には「一般売却」「任意売却」「競売」の3つがあるので、詳細はこちらを御覧ください。

5位:他の土地購入(3%)

新しい土地に家を建てたり、マンションを購入したりする場合、多大な資金が必要になるので、その資金源として今の不動産を売却したお金を使うことがよくあります。

不動産売却したい人が知っておきたい基礎知識

不動産の相場

不動産の相場は、立地や土地や建物など複雑な要素によって算出されるので、一概にいくらとは示すことができません。

ただし、同じ条件の物件は、同じような価格になるので、似たような物件をSUUMOなどの物件情報サイトで探すことで、およその相場を知ることができます。

同じような物件は、次の項目を手がかりに調べられます。

  • 面積
  • 間取り
  • 最寄り駅
  • 駅徒歩時間
  • 築年数

ただし、類似物件が存在しない場合があったり、各家ごとに性能や仕様、立地や周辺環境などより細かな条件が異なったりするので、不動産会社に相談してみるのがおすすめ。相談はどこも無料で行っています。

不動産の売り時・売却タイミング

住宅ローン控除の築年数制限前

住宅ローン控除とは 10年間毎年の年末時点のローン残高の1%が控除される制度。戸建ては築20年以内、マンションは築25年以内であれば、住宅ローン控除を受けられます。

住宅ローン控除の築年数制限を過ぎてから売却すると、次に購入する人は住宅ローン控除を受けられないので、買い手が出てこなかったり、売却値が下がったりします。

所有期間5年以降

所有期間5年を堺に、不動産を売却したときの税率がほぼ2倍の差が生まれます。

5年未満 5年以上
所得税 30% 15%
住民税 所得税x2.1% 所得税x2.1%
復興所得税 9% 5%
合計所得税率 39.63% 20.315%

例えば、購入時3,000万円の物件を、3,500万円で売却できたとした場合(売上500万円)、保有期間5年未満と5年以上では、払わなければいけない税金が次のようになります。

  • 5年未満:約200万円
  • 5年以上:約100万円

かなりの差が出るので、5年を過ぎてから売却をしたほうがいいです。

いつか売るろうと考えたタイミング

建物は築年数が増えるごとに価格が下がっていきます。

  • 木造戸建て:-5%/年
  • マンション:-2%/年

例えば購入時が3,000万円の木造戸建ても、

いつか売ろうと考えたのなら、できるだけ早いタイミングのほうがよいです。

不動産の売却費用ってどれくらい?

不動産売却には仲介手数料や売却費用がかかります。売却費用はだいたい次のような計算になります。

売却費用 = 仲介手数料[売却額の3%]+ 印紙代[1~3万円] + 抵当権抹消登記費用[1,000円] + 税金[(売却価格-購入価格) x 20~40%]

具体例を1つ挙げて紹介します。

例:不動産取得日15年前、購入価格3,000万円、売却価格3,500万円の場合

  • 仲介手数料:105万円
  • 印紙代:1万円
  • 抵当権抹消登記費用:1,000円
  • 税金:101万5,750円
  • 合計売却費用:207万6,750円
  • 手元に残るお金:3,292万3,250円

不動産売却を難しいと感じる理由

実際に不動産に売りに出して買い手を探しても、なかなか買い手がつかず不動産売却が難しいと感じる方も多くいます。

不動産売却が難しい理由は次のようなもの。

  • 土地の悪さ
    • 地域
    • 周辺環境
    • 駅との距離
    • 面積
    • 立地
  • 住居の悪さ
    • 築年数
    • 間取り
    • 性能
    • 日当たり
    • 生活設備
    • 内装
  • 売却設定の悪さ
    • 売却価格

買い手としては、できるだけ良い土地で、良い住居で、安い価格のものを選びたいので、なかなかマッチせずに買い手がつかないことがあります。

買主を個人で想定している場合だと、希望条件が細かくなるので、なかなか買い手がつきにくいことも。

不動産売却でお困りの方は、不動産会社にまずは相談してみたり、もし現在の不動産会社で売却できる見込みがなさそうであれば、他の不動産会社に相談してみるとよいでしょう(※一般媒介契約者の場合)。

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売主が寝たきりの場合の不動産売却